JMJ

 

   今から何年前のことだろうか,マーラーの交響曲第三番をやるオケがあると聞いて私も吹きたいと思ったが、オーディションがあるというではないか。ただならぬオケなんだと思ったのがジュネスとの最初の思いであった。
一人辞退したからと言って私の大学のジュネス担当委員から言われ最初に乗るかと思われたジュネス。
実際にジュネスとのかかわりはこの翌々年からであった。ニューヨークの楽譜屋で何やらある曲を探していた。
今度のジュネスはラフマニノフの交響曲第二番らしいと聞き、実はこのとき楽譜屋でスコアを探していたのであった。
帰りの飛行機で読み、いたく気に入った曲であった。そして、オーディション。
これからNHK509スタジオでの日々がはじまることとなった。
以後,マーラーの復活,ヴェルディのレクイエム,マンドリンオーケストラへの参加,ストラヴィンスキーの春の祭典,R,シュトラウスのツァラトゥストラはかく語りき,マーラーの交響曲第五番,バルトークの管弦楽の為の協奏曲,そしてマーラーの交響曲第九番と本当にいろいろな演目をやれたとともに一つ一つが思い出となった。
最初に乗ったときの指揮,田中良和先生をはじめ,著名な指揮者との出会いもいい刺激となったし何よりもいろんな大学からエントリーしてきた優秀なプレーヤーと会えたということが一つの財産となった。
  
簡単ではあるがいくつかの思い出を羅列したい。まず,92年のラフマニノフ交響曲第二番,これは私の後ろではあったが四番ホルンプレーヤーの技術の高さに恐れ入ったしもちろんこのときのホルンのトップもこれ以後,ジュネスの常連となるわけでコンマスをはじめすごくレベルが高かったことを覚えている。
金先生が指揮をした93年の復活交響曲はオーディションの競争率の高さとともに人気のあった公演だったように思う。95年
の沼尻先生の指揮,春の祭典は木管楽器が大変すばらしかったと記憶しているし沼尻さんの棒もとてもシャープですがすがしい演奏であった。96年の山下一史さんのツァラはストバイ,セコバイの1pultがすばらしかったし
何しろジュネスの名物,飲み屋天狗に山下さんも何回か来られ飲み会も楽しかった。
曲の中の墓場のシーンのオーボエとソロヴァイオリンの掛け合いは絶妙だった。
そして中でも強烈な印象で残っているのが尾高先生の
オケコン。オーディションの数カ月前,海外で尾高先生と会って,今度,ジュネス振るから出てみたらという言葉で火がついた。本番の緊迫感もそうだし緊張感は今までにないものであったしオーケストラの集中力はとにかくすごかった。
今回のマーラー九番は私にとっても集大成のようなものととらえていた。曲想も極限世界から死への恐怖と人間の姿をそのまま映し出した傑作であったし,最初は理解に苦しんだ私にもようやく曲のすごさがわかりかけた時期に本番を終えた。ここ数年での活動の中でもこれだけの思い出が残った。もちろん書ききれないほどもっといいたいこともあるがこれからのジュネスも参加するプレーヤーにいい思い出ができる場であってほしいしいい活動ができるように頑張ってほしいと思います。本当にいろんな人にお世話になりました。ありがとうございます。

  1992夏    ラフマニノフ                 『鐘』                      田中良和

                                           交響曲第2番   

  1993秋    マーラー                    交響曲第2番                 洪才

  1994秋    ヴェルディ                  レクイエム                   今村

  1995夏    ストラヴィンスキー          春の祭典                      沼尻

  1995冬    ドビュッシー                牧神の午後への前奏曲          小出

                                           夜想曲              

  1996夏    R,シュトラウス            ツァラトストラはかく語りき   山下一史

  1996秋    マーラー                    交響曲第五番                 黒岩英臣

  1997夏    バルトーク                  管弦楽のための協奏曲         尾高忠明

  1999秋     マーラー                    交響曲第九番               田中良和

 2000夏    R,シュトラウス            アルプス交響曲                本名徹二

 







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